領事のできること、できないこと

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在パース日本国総領事館より

海外における日本人を援助・保護することは、領事の重要な任務の一つです。ただし、この任務は国際法や当該国の法律などの範囲内で行わなければならないため、何でもできるわけではありません。そこで、邦人保護に関し当館の事例から領事のできること、できないことについてお答え致します。

 

☆領事のできること

 

事例1.日本人の友人がダイビング事故で溺れ病院に担ぎ込まれたのですが・・・。

ダイビング事故等事件・事故の被害に遭い、自助努力のみでは対応できず、かつ、緊急な対応を要する場合には、領事は関係当局との連絡などを行う一方、親族に対し直接または外務省を通じて連絡をとり、事件・事故の概要を通報するとともに、現地における事件・事故に関する法律制度や手続きなどについて援助・助言をします。

死亡事件・事故の場合には、遺族に対し必要な援助を行うとともに、遺族の意向に従って遺体の日本への搬送手続きまたは適切な処置などについて援助・助言を行います。

 

事例2.覚醒剤の密輸入容疑で逮捕されたのですが・・・。

刑事被告人または被疑者などとして逮捕・拘禁されている日本人については、領事は本人及び関係当局と緊密な連絡を保つとともに、必要に応じて親族、知人と直接または外務省を通じて連絡を行います。更に要請があれば弁護士・通訳リストを提供します。ですから、万一逮捕・拘禁された場合には、現地警察当局などに対し当館に連絡するよう要請することが重要です。

 

事例3.日本人の友人が急性肺炎が原因で危篤状態なのですが・・・。

病気、特に緊急入院したような場合には、領事は個別の事情に応じて助言などをするとともに、医師よりの病状などを聴取し、その結果を必要に応じて親族または知人に直接または外務省を通じて通報します。

 

事例4.サイクロンの直撃を受けたのですが・・・。

自然災害、騒乱や大規模な事故が発生した場合には、領事は、直ちに日本人の被害の有無の確認に努めます。万一皆様がこのような被害に遭遇した場合には、たとえ無事であっても出来るだけ早く当館にその旨を直接連絡するか、または、第三者を通じて連絡して下さい.確認された情報は、外務省を通じて親族または知人に通報します。

 

事例5.バックパッカーズで貴重品が盗難に遭い帰国するにもお金が無いのですが・・・。

所持金を紛失し、自分自身ではどうしても連絡が出来ず、当面の生活がままならない場合で、かつ緊急止むを得ないと領事が判断した場合には、領事が直接または外務省を通じ親族や知人に航空切符の手配や金銭的援助の依頼を連絡します。また、親族や知人による援助が困難な場合で、かつ法律に定められた用件を満たすと判断された場合には、最後の手段として、日本までの帰国旅費を貸与することができます。

 

事例6.パースに滞在しているはずの娘から、ここ1ヶ月ほど連絡がないのですが・・・。

海外に居る日本人が、所在の調査に関する親族の自助努力にもかかわらず、おおむね6ヶ月以上音信が途絶えている場合には、外務省に対する親族の依頼に基づき、領事はその所在確認のための調査を行います。ただし、このように日本から直接当館への問い合わせに対しては、最後に連絡があった場所等の手がかりから出来るだけの対応をします。

 

☆領事のできないこと

 

事例7.家を購入しょうと思いましたが、旅行者の身分だったので、名義を借りて購入したところ、帰国中に家が売られてしまったのですが・・・。

領事が弁護士、探偵、警察の業務や役割を担うことはできません。要請があれば、弁護士リストを提供します。

 

事例8.留守中に盗難に遭い貴金属や家具を盗まれました。犯人に心当たりがあるので、彼の家を調べたいのですが・・・。

領事が犯罪の捜査や被疑者の身柄拘束はできません。

 

事例9.パース空港で入国を拒否され強制送還されるのですが・・・。

領事が入国許可、滞在許可や就労許可の取得を本人の代わりに行うことや、その便宜を図ることはできません。

 

実際に領事が行動を起こすことができない場合がありますが、要請により、弁護士リストを提供したり、現地警察に相談するように勧めたり、その際に通訳が必要な場合は電話による豪州政府機関の通訳サービス(T.I.S)が利用できること等、問題解決にあたって、現地事情に即した適切なアドバイスをさせていただきますので、困った時は是非、ご連絡下さい。

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